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第7回目は、造血幹細胞移植と臨床検査です。

こんにちは、ケンさん今日もよろしくお願いします。
こんにちは、りんちゃん、今日は造血幹細胞移植の検査についてお話します。
そもそも、造血幹細胞ってどんな細胞ですか?
造血幹細胞とは、全ての血球、白血球・赤血球・血小板などの元となる細胞です。造血幹細胞は増殖(自己複製)しながら、いろいろな血球に分れ成熟し、白血球や赤血球や血小板となり、いろいろな役割を果たしています(図1参照)。造血幹細胞は骨髄中に多く含まれますが、化学療法後や造血因子(血球を増やす因子)使用後の末梢血にも存在します。また臍帯血(へその緒)にも含まれることがわかっています。
図:造血幹細胞とは・・
図1
造血幹細胞移植ってどんな治療法ですか?
造血幹細胞移植は、白血病・悪性リンパ腫などの血液の腫瘍や再生不良性貧血などの骨髄不全などで行われる治療法です。
まず大量化学療法や放射線療法(放射線を照射し腫瘍を破壊する)を組み合わせた大変強力な治療を行い、患者さんの腫瘍細胞を根絶します。強力な治療により患者自身の造血機能も破壊されるため、あらかじめドナーから採取しておいた造血幹細胞を移植する事により、正常な造血機能が再構築できます。通常の治療に比べ大変強力な治療が行えるメリットがあります。
造血機能が破壊され、白血球が激減し免疫力が著しく低下する期間があるため、感染症予防のため、造血機能が回復するまで無菌環境にて慎重にコントロールします。

造血幹細胞移植は、造血幹細胞の由来によって「骨髄移植」「末梢血幹細胞移植」「臍帯血移植」の3つに分類されます。また、患者さん自身の造血幹細胞をあらかじめ採取し、移植する方法を「自家移植」、他人(ドナー)の正常な造血幹細胞を移植する方法を「同種移植」と言います。

図:造血幹細胞移植
図2 造血幹細胞移植の模式図
造血幹細胞移植ではどんな検査が必要ですか?
一般的には次のような検査が必要です。
  1. HLA検査
    最も重要な組織適合性抗原の一つであるHLAを調べる。HLA型が一致しない造血幹細胞移植は、拒絶反応や重症の移植片対宿主病(GVHD)などの副作用がおこります。
  2. 一般的な血液検査
    赤血球や白血球、血小板などの増減を調べます。
  3. 生化学検査
    肝機能、腎機能、各種ウィルス感染症の有無等を調べます。
  4. 骨髄穿刺検査
    移植前後の骨髄の評価を行います。
  5. 輸血に関する検査
    造血機能が一旦破壊されるため、白血球減少の他に赤血球減少や血小板減少も伴います。そのため輸血は必須です。
  6. その他
    尿・便検査、心電図・心臓超音波検査、胸腹部レントゲン検査、呼吸機能検査等を行います。
がんセンターの検査部での取り組みを教えてください。
造血幹細胞移植における当センター検査部の取り組みは、先に述べたような一般的な検査の他、鏡検による細胞分類(芽球比率を求める→芽球比率≒幹細胞比率)、CD34陽性細胞数測定などを実施しています。また、ドナーからの幹細胞採取時は、手術室からの検体搬送・細胞数測定・報告を迅速に行い採取量のモニタリングに貢献しています。これらの検査は、幹細胞採取量のモニタリングと、移植に必要な幹細胞量を採取できたかということを目的に行われる大変重要な検査です。
また造血幹細胞移植に際し、ドナー(提供者)とレシピエント(患者)のABO血液型が不一致の場合など、移植後の血液型の変化を慎重にチェックし、適合血の確保を行って、副作用の防止に努めています。
CD34陽性細胞数の測定についてもう少し詳しく教えてください。
CD34(抗原)陽性細胞は、造血幹細胞に特徴的に発現していると考えられていますが、ある程度分化の方向づけられた細胞まで陽性であるため、CD34陽性細胞は造血幹細胞を含んだ様々な段階の細胞の集団です。
造血幹細胞移植の際には、移植される造血幹細胞の量をCD34陽性細胞数で代用し、目安としています。現在当センターでは採取液中のCD34陽性細胞数を院内で迅速にフローサイトメーターという装置を用いて測定しています(図3-1、3-2)。これによって造血幹細胞の採取量を速やかに把握する事ができ、採取の継続・終了などの判断の目安となり臨床に貢献しています。
フローサイトメーターによる測定
図3-1
測定結果
図3-2
とても参考になりました。今日はありがとうございました。

 

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