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臨床試験(治験)について

 動物で試験を行っただけでは、「くすり」として使用することはできません。
人と動物とでは体の仕組みが違うため、動物試験のデータをそのまま人に当てはめることはできないからです。 実際に人の病気を治すのに役立つかどうか、調査する必要があります。 このような、人で「くすり」の効果と安全性を調べる試験のことを「臨床試験」といい、その中でも厚生労働省から「くすり」として認めてもらうために行う臨床試験を「治験」といいます。

治験拠点医療機関ってなに?

臨床試験管理室とは

 平成17年4月に「がん専門病院にふさわしい治験および日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)やNPO西日本胸部腫瘍臨床研究機構(WJTOG)等の研究を実施するために、それら臨床試験を総合的に管理促進するための組織」として臨床試験管理室が設置されました。
現在、室長1名(兼務)、副室長2名(事務1名、薬剤師1名の兼務)、実施部門として治験コーディネーター(CRC)4名(専任)と事務部門1名(専任)で構成されています。 臨床試験管理室事務局では治験(GCPに規定されている)と製造販売後臨床試験、使用成績調査等(GPSPに規定されている)に関する事務を行っています。 また「治験審査委員会」「倫理委員会」「共同研究審査委員会」の事務局業務を行っています。 ※現在は、「治験」と「製造販売後臨床試験」のみの対応となっています。

新しいくすりができるまで


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治験の進め方(抗がん剤以外の治験)

 少人数の健康な成人が対象:
「くすり」の量を徐々に増やし、「くすり」として安全かどうか調べます。
 少人数の患者さんが対象:
「くすり」の使い方・使用量(用法・用量など)を調べます。
 多くの患者さんが対象:
患者さんの協力で最終的な「くすり」の効果と安全性の確認を行います。
 厚生労働省に結果を提出:
審査の結果、承認された後に医薬品として医療機関で使用されます。
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治験の進め方(抗がん剤の治験)

 少人数のがんと診断されている患者さんが対象:
安全性をみながら「くすり」の量を徐々に増やし、安全な最大量を求めます。副作用についても十分調査します。また、体内での動き方を調べます。
 少人数のがんと診断されている患者さんが対象[1]より多い人数の患者さんが対象:
(1)で求められた「くすり」の適切な使用量で腫瘍の縮小率を確認し、副作用についても調査します。
 がんと診断された多くの患者さんが対象:
従来使用している「くすり」と比べて安全性と効果を比較し、よりすぐれたものであるか否かを確認します。
 厚生労働省に結果を提出:
審査の結果、承認された後に医薬品として医療機関で使用されます。
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治験Q&A

 治験を行うときのルールは?
治験では「くすりの候補」を人に使用することになるため、治験に参加していただく方々の人権や安全が最大限に守られなければなりません。それと同時に、「くすり」の候補の効果と安全性を科学的な方法で調査する必要があります。そのため治験を行うにあたり厳しいルールが国によって定められています。そのルールを「医薬品の臨床試験の実施に関する基準」(GCP※と呼びます)といいます。このルールに従って製薬会社や病院が治験を行っています。
※GCPとは?
「医薬品の臨床試験の実施に関する基準」という厚生労働省令が定められ、この省令がGCPと呼ばれています。この省令の実施に関しては、「医薬品の臨床試験の実施の基準の運用について」という厚生労働省からの通知があります。 この省令に従って、厚生労働省(審査、承認を行う)、製薬会社(治験依頼者)、病院(治験実施医療機関)が治験を行っています。 当センターでもGCPに従って、院内に委員会を設置して審査を行っています。この委員会は「治験審査委員会」と言います。この委員会では医療関係者以外の委員や当センター職員以外の外部委員も交え、申請のあった治験を実施してもよいかどうか、倫理性や試験の科学性について審査します。
 もし、医師から治験参加を勧められたら?
医師から現在の病状や治療方法も含め、治験について文書を用いて説明を受けます。 その説明の内容をよく理解した上で、患者さんの自由意思で治験に参加するかどうかをお決めください。説明を受けたその場ですぐに返事をしていただく必要はありません。持ち帰っていただき、ご家族と相談されるなど、よく考えていただいてから返事をしてください。 治験への参加をお断りになられても、今後の治療等について不利益な取り扱いを受けることはありません。また参加を決定された後でも途中で参加を取りやめることができます。その場合も不利益な取り扱いを受けることはありません。
 治験に参加するメリットは?
治験に参加するメリットは、いくつかあります。
【ポイント1】 多くの専門医師が共同で作成した治験計画書に従って計画された診断や治療が受けられます。治験は試験的側面もあるため通常の診察より詳しい検査や診察が行われ、病状などをより詳しく知ることができます。
【ポイント2】 新しい薬で診療を受けることができます。今ある薬より、よい効果(があると予想される)新しい薬や医療をより早く受けることができます。
【ポイント3】 治療費の負担と治験参加に伴う負担の軽減 治験に参加した場合、費用について国の定める制度(特定療養費制度)が適用されます。この対象となる期間と対象部分は治験薬の使用開始から使用終了までの期間で、この間に患者さんが受けた検査(血液検査や尿検査、レントゲン、CT等の画像診断)の費用は治験を実施(依頼)している製薬会社から支払われます。 またこの期間に治療を受けている病院の他の診療科で受けた検査費用についても、同様に支払われる場合があります。そのため普段患者さんが診察を受けた際に支払っている健康保険などの一部負担が少なくなる場合があります。 治験に参加していただくことで、外来患者さんの場合は決められた日に来院していただく日数が通常の治療よりも多くなることがあります。そのため、患者さんに交通費などに充てていただく「患者負担軽減費」を当院からお支払いしています。 ※ただし、製造販売後試験は原則として対象にはなりません。
【ポイント4】 CRCがサポートします。 担当となったCRCが治験開始から終了まで診察時のサポートも含め、来院時の面談や電話でのご相談、質問などに対応しています。
※「治験コーディネーターとは?」をご覧ください※
 治験に参加するデメリットは?
治験に参加するデメリットもいくつかあります。
【ポイント1】 有効性がみとめられない場合もあります。 参加していただく試験で使用する「治験薬」が必ずしも「標準的な薬」と同等あるいは優れているというわけではありません。そのため「治験薬」の有効性が、「標準的な薬」より高いと予測されている場合でも、有効性が認められない場合があります。
【ポイント2】 予想しない副作用の可能性
治験は非臨床試験(動物などを用いた試験)などで安全性を確認した上で行っていますが、予想しない副作用が発生する可能性があります。 万が一、治験に参加したことによって副作用や健康被害が発生した場合、最善を尽くして治療にあたります。
【ポイント3】 通院回数が増える場合があります。
治験に参加することで、通常の診察より検査の頻度が多くなったり、通院回数や診察時間が長くなるなど、患者さんの負担が増えることがあります。
【ポイント4】 CRCがサポートします。 担当となったCRCが治験開始から終了まで診察時のサポートも含め、来院時の面談や電話でのご相談、質問などに対応しています。
※「治験コーディネーターとは?」をご覧ください※
 治験に参加するときに注意することは?
ご自身の体調等については、細かいことであっても必ず担当医師や担当CRCに相談いただくことですが、特に注意していただきたい点としては、安全面を確保するために治験期間中は市販薬の服用や、他の病院で診察を受けられる場合には必ず担当医師や担当CRCに連絡くださいますようお願いします。
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治験コーディネーターとは

治験コーディネーターはCRCと呼ばれます。CRCとは「Clinical Research Coordinator:臨床研究コーディネーター」の略称です。わが国では、治験コーディネーターと称されています。 CRCは患者さんと医師との橋渡しとして、病院の他のスタッフと連携を取りながら治験が適正かつ円滑に実施できるように調整する唯一の「治験専任スタッフ」です。

兵庫県立がんセンターでは治験や製造販売後臨床試験を円滑に行うために「臨床試験管理室」を設置しています。現在、臨床試験管理室には4名の治験CRCが所属しています。 治験CRCの主な仕事の内容は、次のとおりです。 ・治験を開始する前に主治医から治験の目的、予測される効果、治療方法、起こるかもしれない副作用等の説明があります。CRCは主治医からの説明の後、治験のスケジュールや治験に参加することによるメリット・デメリットなどを中心に治験についてわかりやすく説明します。 ・治験に対する不安や疑問にお答えしています。 ・治験に参加することにより来院日数、検査が通常の診察より増える可能性があります。 それらの負担を少しでも軽くするために、可能な限り来院日と検査日を調整します。 ・治験に参加されている患者さんより体調の変化や副作用の有無及び症状についてお話を伺い、安全面に注意を払い、適切な対応ができるように努めています。 ・治験のために行った患者さんの診察の内容や各種検査の結果などの貴重な成績を製薬会社(治験依頼者)に迅速に報告し、治験が安全かつ適正にすすめられるように日々邁進しています。

兵庫県立がんセンターで実施されている治験、製造販売後臨床試験 一覧

実施診療科 対象疾患 治験段階 登録の可否
呼吸器外科 肺がん(1) 第III相
呼吸器内科 肺がん(2) 第III相
呼吸器内科 肺がん(3) 第II相
乳腺外科 乳がん(1) 第I/II相
乳腺外科 乳がん(2) 第II相
乳腺外科 乳がん(3) 第III相
乳腺外科 乳がん(4) 第III相
消化器内科 胃がん(1) 第III相
消化器内科 大腸がん(1) 第II相
  • ◆治験には、参加いただけるかどうかを判断するための詳細な基準があり、疾病の分類や程度状態、現在の健康状態等によっては、参加できない場合もあります。どうぞご了承ください。
  • ◆なお、電話などでは、現在の患者さんの病状、健康状態を正確に判断できませんので、個々の治験等への参加に関するお問い合わせにはお答えできませんのでご了承ください。
  • ◆また、全診療科は原則としてすべて予約制となっていますので、診察を希望される方は、かかりつけ医の先生を通じて当センターの地域医療連携室へ、ファックスで診察日時をご予約のうえ、診療情報提供書(紹介状)を持参して来院をお願いします。

治験に興味をお持ちの方は

 治験に興味をお持ちで治験への参加を希望される方は、診察の際、主治医にご相談ください。
治験に参加していただくには参加基準があります。希望されても参加基準にあわなかったり試験実施予定人数に達していた場合、また募集期間が終了している場合は参加していただけない場合があります。
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