都道府県がん診療連携拠点病院兵庫県立がんセンター

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院長からのメッセージ

西村隆一郎 院長<がん専門医を目指す若い医師達へ>

がんは、わが国における死亡原因の1位であり、なお年々増加の一途にあるところから、国は平成19年に「がん対策基本法」を定め、全国にがん診療拠点病院を指定して、日本中のどこでも適正かつ納得の行くがん医療が受けられるようなシステムを造ろうとしています。すでに、当センターは平成19年4月に都道府県がん診療連携拠点病院の指定を受け、兵庫県におけるがん医療の中心的役割を担っています。

当センターにおける、がん診療機能はソフト、ハードの両面ともに充実しています。現在の医師総数は108名で、多数のがん専門医が診療に携わっています。無論、多くの学会から専門医取得のための施設認定を受けており、例年20名前後の専攻医が指導医の下で研修し、専門医取得を目指しています。平成20年度に入院したがん患者の90.2%が手術、放射線治療、化学療法のいずれかを受けており、これは全国のがんセンターの中でもトップの数字〈高度医療比率〉でした。

平成21度の症例数は、食道がん38例、胃がん186例、結腸・直腸がん178例、肺がん214例、乳がん205例、子宮頸がん126例、子宮体がん107例など、全国トップレベルで、総手術件数は2926例でした。消化器、胸部、骨盤などの領域では、腹腔鏡・胸腔鏡手術を積極的に導入して、症例数も急増中です。内科領域でも、血液内科では延260名の血液悪性腫瘍患者に対して骨髄移植や幹細胞移植などを行っていますし、消化器内科では、とくに早期消化管がんに対する内視鏡的切開・剥離術(ESD)に積極的に取り組んで好成績を挙げています。放射線治療部門でも、リニアック692人、腔内照射42人と、がん拠点病院の役割を果たしています。さらに、今やがんセンターに不可欠となった腫瘍内科医も4名が他科と協力して診療科横断的な化学療法を担っており、年間1万件にも達する外来化学療法においても中心的役割を果たしています。また、病理医や放射線医と共に診療科を超えた腫瘍カンファレンス(Tumor Board)を開催して、がんの診断や治療の理解を深め、知識を共有するように努めています。

がんの診断や治療のための医療機器も充実しています。PET-CT、MRIなど最新のがん診断装置や放射線治療装置も豊富で、強度変調放射線治療(IMRT)も間もなく導入されます。また、当センターでは、治療方法も標準的なものだけでなく先進的なものも導入しています。倫理審査委員会で承認された先進的な臨床試験を数多く行っています。

また、当センターには小規模ながら研究部があり、検査部や病理部と共同して、貴重な生体資料についての分子生物学的研究を行っています。医師達の論文や学会発表の支援はもとより、基礎的ながん研究に興味のある専攻医に対する実験指導も行っています。

がんの治療方法は、どの治療法を受ける場合でも「インフォームド・チョイス」が大切です。つまり、客観的で懇切な説明を受けたうえで、患者さんが自己選択することが大切です。そして、治療法の選択から遂行、その後のフォローまでを支援するのが「チーム医療」です。とくに、がん治療の重要な側面である緩和ケアは、当センターでは精神科医、麻酔科医、内科医、看護師、薬剤師からなる緩和ケアチームが患者さんを支えています。このような「チーム医療」の実践も専攻医研修で学ぶべきことの一つです。

最近の目覚しい医学の進歩にもかかわらず、残念ながらすべてのがん患者が完治するわけではありません。当センターでの専攻医研修により、最新の診断技術や治療法を習得するだけでなく、患者さんの体と心の痛みを理解して、全人的ながん診療を行える人材を育成することが私どもの大きな望みです。

平成23年6月 兵庫県立がんセンター 院長 西村 隆一郎
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先輩からのメッセージ

濱本 雅子 (乳腺外科、専攻医3年目)

私は初期研修を終えた3年前にがんセンターに赴任し、今年医師5年目になる乳腺外科専攻医です。乳腺外科の手術症例数は年間や約200例と多く、忙しい毎日を送っています。がん診療のレベルが高いことはもちろんですが、コメディカルも熱意があり、働きやすく気持の良い病院です。

当院専攻医制度の特徴の一つは、院内あるいは県立病院間での融通性の高い他科ローテーションシステムだと思います。私は外科専門医取得のための外科系診療科と、放射線科・病理科など、乳腺外科と関わりの深い科で勉強させていただきました。おかげで乳腺病理標本の顕微鏡を自分で見に行く習慣ができ、それまでむずかしくて所見用紙に頼るだけだったMRI画像をみるきっかけができました。各科の先生方がスペシャリストなのでとてもよい研修になります。各科合同の術前・術後カンファレンスも充実しており、議論も活発で面白いです。

また、がん拠点病院として各科が臨床研究に力を入れており、臨床試験も積極的に取り組んでいます。学会発表の機会も多く、自然と経験を積むことができます。

とはいえ、多忙な病院ですので、土日も午前中は病院にくることが多いですが、三宮も電車で15分程度と近く、休日にはいろんな楽しみ方ができると思います。明石は魚がおいしいですし、専攻医どうしで飲み会も楽しくやっています。もしがん診療を志されるなら、ぜひ一緒に働きませんか。お待ちしています。

森木 健生 (放射線診断科、専攻医3年目)

兵庫県立がんセンターのレジデント研修の特徴は、完全に自由に研修を組み立てられる点にあると思います。基本的に専攻科に関係なく、他科研修を好きな期間組み込むことが可能です。もちろん他院であっても可能な限り対応してもらえます。

私は放射線科専攻ですが、放射線科専門医試験に必要な放射線診断、放射線治療の研修に関してはすべて当院で可能です。スタッフの先生方は診断5名、治療5名と豊富で、非常に熱心に指導してくださいます。がん以外の症例も経験すべく姫路循環器病センターへ半年研修に出ましたが、これも大変いい経験になりました。

普段の業務時間などは科により様々と思いますが、当直は月2回位で睡眠もとれますので、比較的自分の時間をコントロールしやすいと思います。給与も十分過ぎるというわけではありませんが、家族で食べていくのに全く問題ありませんよ。興味がある方は是非見学にきてください。

田根 慎也 (呼吸器外科、専攻医2年目)

平成20年度から当センターに参りましたが、日々の業務、学会活動等とても充実した研修生活を送っています。当センターの呼吸器外科は肺癌手術症例だけでも年間200例を超える全国有数の大規模施設であり、毎週豊富な手術症例を経験することができます。また、手術だけではなく、術後化学療法、術後の外来フォローアップ等も行っています。毎週月曜日には、当センター呼吸器内科、病理部、放射線画像診断科との合同呼吸器カンファレンスが行われており、治療方針、手術のindicationに関して携わることができます。手術だけではなく、肺癌治療に関して広く関わることができるというのが、当センターの大きな利点ではないかと思います。もちろんがんセンターですから、良性疾患を診れない点、救急医療ができないという点はあるかとは思いますが、癌治療の考え方を学ぶことに関しては、とてもいい経験になると思います。

また、他科との連携がとれているため、専攻科目を問わず他科ローテートも可能であり、例えば肺癌の化学療法を学ぶため呼吸器内科に研修に行くという様なことも可能です。このように、他科との風通しもよく、コンサルトを行い易いという面も専攻医ならではの特徴かと思います。

以上呼吸器外科の立場から述べましたが、当センターのように専門に特化した施設で後期研修医を過ごすことは、市中病院では決して学べない貴重な経験になると思います。癌治療を志している皆さん、当センターで一緒に働いてみませんか?

尾上 琢磨 (腫瘍内科、専攻医1年目)

標準時子午線が通ることで全国に知られ、眼前に広がる瀬戸内海、明石海峡大橋を通じて淡路島を望む美しい港町、ここ明石に兵庫県立がんセンターはあります。

学生時代、オンコロジストとの出会いをきっかけに腫瘍内科を志望するようになった私は平成19年に初期研修医として当センターに赴任いたしました。各科ローテーション、他の県立病院での選択研修を経て、平成21年より再び当センターに戻り、腫瘍内科専攻医として歩み始めることとなりました。以下、主に内科系診療科に関してご紹介させていただきます。

当センターにはがんの診断・治療を行う内科系診療科として消化器内科、呼吸器内科、血液内科、腫瘍内科があります。前3者は各臓器の悪性疾患の診断・治療を行っております。私は4つ目の腫瘍内科に所属しており、当科では原発不明癌、乳癌、婦人科腫瘍などを中心に臓器横断的ながん診療を行っています。科の目標の内の一つを次世代の腫瘍内科医を育成することと位置付けている通り、教育熱心な指導医のもと一般腫瘍学や臨床試験、論文吟味の手法に関して日々研鑽を積ませていただいています。

各内科とも、豊富な症例数や最新の医療設備を背景に専門的知識豊富な指導医のもとで、専攻医も抗癌剤の臨床試験や内視鏡診療に精力的に取り組める環境が整っています。400床の中型病院であるため大学病院等の大病院と比較して各科の間での「垣根」が低く、臨床医として「小回りが利く」病院で、診断能力や治療技術の向上を図りやすいのも当センターの魅力と考えます。また要望に応じてローテーションも可能であり、日本臨床腫瘍学会のがん薬物療法専門医を目指すのに絶好の環境といえます。

最後になりましたが、当センターの医局は様々な出身大学の各科レジデントがコミュニケーションを取りやすい環境で、頻繁に懇親会を開くなどして和気あいあいと研修に励んでおります。関西はもとより全国のがん診療を目指す若手医師の皆様、ぜひ、私達と刺激のある充実した研修生活をともに過ごしましょう。

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医師公舎

遠隔地にお住まいの場合などは、病院前の医師公舎が利用できます。

医師公舎:建物全体医師公舎:北側
医師公舎:正面入口
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