がんセンターについて

その他の部門 -検査部-

検査部

兵庫県立がんセンタートップページ > がんセンターについて > その他の部門 > 検査部 > 検査の紹介-【第3回】腫瘍マーカーについて

「ケンさん」と「リンちゃん」のココが知りたい!!(疾患と検査)

第3回目は、腫瘍マーカーについてです。

こんにちは、ケンさん。最近よく聞く『腫瘍マーカー』について教えて頂けますか。

こんにちは、リンちゃん。まずは『腫瘍マーカー』について簡単に説明するね。がんと言うのは体の細胞の一部が異常分裂を起こして増えだす病気なんだ。がんが発生すると普通ならそれほど変化しないはずの蛋白やホルモン、酵素なんかが急に増えることがあるんだ。これらの数値を目印にして追跡することで治療方針や治療効果の判定に役立てる、そういう目印になる物質を『腫瘍マーカー』と呼ぶんだよ。

腫瘍マーカーにはどういったものがあるんですか?

腫瘍マーカーの種類は50種類以上あるんだ。主なものを下の表にまとめたよ。赤字で示しているものは、当センターで測っているものなんだ。

胃がん STN CA72-4 CEA TPA CA19-9 SPAN-1 DUPAN-2 NCC-ST-439 CA-125 CA54/61
肺がん CEA TPA NCC-ST-439 SLX CYFRA SCC NSE Pro-GRP BFP CA-125
肝がん AFP AFPレクチン分画 PIVKA-II CEA BFP TPA CA19-9 SPAN-1 DUPAN-2 NCC-ST-439 SLX
膵臓がん CA19-9 エラスターゼ1 SPAN-1 DUPAN-2 NCC-ST-439 SLX CEA BFP TPA CA-125 STN CA72-4 CA54/61
食道がん p53抗体 CEA SCC
大腸がん CEA TPA p53抗体 BFP CA19-9 SPAN-1 NCC-ST-439 STN CA72-4 CA54/61
乳がん CA15-3 HER-2 NCC-ST-439 BCA225 p53抗体 TPA
子宮がん SCC CEA BFP TPA CA-125 CA602 STN CA72-4 CA54/61
卵巣がん CA125 SLX CA602 STN CA72-4 CA54/61 GAT CEA BFP TPA NCC-ST-439
前立腺がん PSA PSA・F/T比 PAP PSA-ACT γ-Sm BFP TPA

例えば一般的によく使われている腫瘍マーカーのCEAというのは消化器系のがん、肺がん(腺がん)、子宮頸部扁平上皮がん、等の陽性率は70%になるんだ。大腸がんでは進行するほど高値になり、低値であるほど治る割合が高くなる。また、術後や化学療法後の数値上昇が激しい場合には肝転移や腹膜転移の指標になるんだよ。 AFPなら肝臓がん、CA19-9ならすい臓がん、胆嚢がん、胆管がんで高くなるという様に腫瘍マーカーにはある程度特徴があるんだけれど、よく表を見てもらうと、同じマーカーがいろんながんで使われているだろう。あまり特徴的ではないともいえるんだ。だから、これらを組み合わせて検査するんだ。

腫瘍マーカーにもいろんな種類があるんですね。この腫瘍マーカーが正常値を超えるとがんの疑いがあるという事なんですか?

腫瘍マーカーは良性の病変細胞からはまったく出ない、つまり「0」ということではないので、異常値が出たからといって即、がんということではないが数値が高いほどがんの可能性は高くなるんだよ。さっきのCEAも良性腫瘍のほかに長期喫煙・糖尿病・月経周期・妊娠・肺疾患・萎縮性胃炎・炎症性腸炎・加齢などで正常値を越える検査値が出ることがあるし、低いからといっても完全にはがんの疑いを否定できないんだ。 だから画像診断や病理検査などの他の検査と総合的に判断する必要があるんだ。

他の検査と合わせてすることが大切なんですね。

そうなんだ。あと、腫瘍マーカーは治療効果やがん再発の判定をする指標にも有用なんだよ。 前の表で赤字の項目は診察前検査と言って当センターでは採血してから約1時間程度で検査結果が出るようにしているんだ。 それ以外の項目は当センター以外の場所で測っているから、検査結果が出るまで1週間ぐらいかかるんだ。

センター内で検査すると結果が早いのですね。

そうなんだ。その検査結果と合わせて診察時に抗がん剤や放射線治療の効果・経過・再発の判定を確認するのに役立っているんだよ。

がんの検査にも様々な方法があるんですね。とても勉強になりました。今日はありがとうございました。次回もよろしくお願いします。